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超長時間の豪雨ライドは変なところがやられる [自転車雑記]

2012.6.13(水)

梅雨の季節にどっぷり入ってしまった感じですが、いかがお過ごしでしょうか。
今朝の東京は若干曇りでなんとか雨は降ってない感じですけど、週末はまた雨予報になっているようです。

私自身は先週末の雨ブルベには参加していないのですが、千葉とか宇都宮とか大変だったと聞いています。
今週末も・・・たいへんなところへ行かれる方が多いのでしょう。
みなさまの無事完走をお祈りしています。

同じ雨ブルベでも雨の降られ方とか降られる時間の長さによって、やられるところが変わってきます。
先週末の雨ブルベではGPSが水没という方が結構いたようですが、機材が傷むとか水没で壊れるというのは雨ブルベではつきものです。
DSC03241.jpg

ここで少し書いておこうかと思ったのは、機材ではなく身体の話。
私も大した経験をしているわけではないですが、昨年のBRM528千葉600km(茂木・反時計回り)が過去最悪の天候で、その時の変なヤラレ方はそれまで経験したことのないようなものでした。
過去ログに書いてあるかな?と自分のブログを検索してみたのですが、、、
案の定、途中で終わっている中途半端なログしかなく書いてありませんでした。
全部書くのは大変なので、変なところがやられた、という話だけここでは扱います。

途中までというかスタートだけ書いた過去ログ:2011BRM528千葉600茂木・完走(スタートまで)
どんな感じのブルベになりそうか、という予感だけはこの過去ログから類推してくださいませ。

雨ブルベは装備が増えます。全行程雨が予想されている600kmだと尚更です。
途中で朽ち果ててDNFする可能性を考えると輪行袋も外せません。
載りきらない装備(主に着替類)は取捨選択して置いて行くこともあるのですが、、、
この時は結果からすると選択ミスだったようです。

雨ブルベといっても普通はずーっと雨だった、とかほとんど雨だったけど途中で止んだとか天候の変化はあるものです。
ところがこの時は、これからかなり酷いぐらい荒れてくる、というところがスタート時刻でずーっと雨。
強い雨が豪雨になることはあっても、戻っても強い雨は変わらず、みたいなノリでした。
全行程台風の中走るような感じと思っていただければ理解しやすいかもしれません。

それなりの防水性能をもったレインウェア類をきちんと着込んでしっかりと防水対策をすると、降られ方次第ですが普通の雨で平坦コースだと100kmとか150kmぐらいは濡れずに走ることは可能です。
しかし、それ以上の距離(時間)になってくると、一式全て取り替えないと同じような効果は期待できません。

昨年のこの雨の茂木600の時は、150kmとか200kmぐらいまでは身体にダメージは特にありませんでした。
雨の降り方も普通に強い雨程度しかまだなっていなかったので、レインウェアの中で自分の汗で身体が蒸れるぐらい。
上半身は汗でびっしょりアンダーウェア、ジャージが湿ってますが、ビブレーパンやレッグカバーはまだ多少乾いたところが残っていました。
個人差が大きい話ですが、おそらく10時間ぐらいなら平気なのかもしれません。

ところがこの先からが徐々におかしくなってきます。
汗で蒸れてレーパンも湿ってきます。レインウェアの防水性能が悪いとかではなく、自分の汗でやられていくのです。
しっとり湿ったレーパンとレッグカバーが微妙に擦れて太腿やその付け根あたりの皮膚が痛くなってきます。
途中のコンビニストップで、一旦レーパンを脱いでチェックしてみると皮膚がただれかけています。
レッグカバーのストッパーになっているシリコンゴムは表側に折り曲げて、そのうえにレーパンの裾を被せるようにしてはいますが、ゴムではなくレーパンの生地自体でペダリング毎に若干擦れが発生するようで皮膚がやられてきています。
通常だと、お尻(サドルと当たる位置)などが擦れてくる痛みで苦しくなるわけですが、それとは別のところです。
乾いたレーパンだとスムーズに伸縮するので皮膚へのダメージは低いのでしょうが、濡れたそれは攻撃的になります。
(今思うと、ワセリンというか何らかのクリームを塗って保護してあげれば多少予防できたかもしれません。)

茂木600の反時計回り(左回り)には、適当な仮眠場所がありません。
だいたい350kmぐらいだったか、コースから少し外れたところに御老公の湯という健康ランドがありますが、そこへ逃げ込んでジャージ、レーパンを脱いだら、太腿の付け根は左右ともミミズ腫れが2本ずつ入っているような有様。
あまりにヒリヒリして泣きそうでしたが、もっと泣けたのは、なんとか駆け込んだ時間帯は「お風呂清掃中」
たぶんそれを事前に知っていたとしても立ち寄ったとは思うのですが、50kmぐらい手前で電話をかけてもらって「営業してます」と確認とってから行ったので、結構ショックが大きかったです。
本来ならそこでシャワーを浴びて少しお湯につかって身体を暖めて、短時間でも仮眠してリフレッシュという行程なのですが、短時間の仮眠しか取れませんでした。
それでも脱衣所で脱いで、浴用タオルを洗面所でお湯につけて全身拭いて、乾いたバスタオルで一旦身体を拭き上げると多少はさっぱりすることができました。

ただ、濡れたレインウェアを乾燥させる場所も無いし、貯金もほとんど無い状態でコースから外れたところへ立ち寄っているので、濡れたものは全く乾かせる時間的余裕がありませんでした。
ほんの少しのつかの間の仮眠を終えて再度ジャージを着る際に、ジャージ、レーパンは新しいものをつけたのですが・・・
「レッグカバー(ウォーマー)の予備を外したのは失敗だった」
ということに、ようやくここで気づくわけです。
それまで履いていたレッグカバーは薄手のUVカットタイプですが、手で絞って少し干した風にした程度では湿ったままです。そしてレインウェアも外だけで無く内側も湿ったまま。

折角着替えて再スタートを切ったのに、50kmも走らないうちに湿ったレッグカバー経由で防水ソックスも浸水orz
さらに100kmも走らないうちにレーパンも湿ってきてしまいした。

茂木を回ってからの帰りの方が実はさらに雨は酷く、上りは滝登りとか沢登りやってるような感じで道路が川状態だったり、いろんなものが流れてきたり、茨城、千葉の平地区間では道路が完全に冠水しきっていてペダルの下死点では水に浸かるぐらいのところを引き波立てながら走っていたりという状態になると、シューズやソックスがどうだこうだとはもう何も関係が無くなります。
さらに追い打ちをかけるように、追い抜いていく車の跳ね上げる水しぶきが、水しぶきといったものではなく上から横から滝に打たれるほどのとんでもない水量があるわけです。頭から水を被ると衿口とか換気のために開けている脇の下から水がザバーっと入ってきてレインウェアの内側で冠水ですorz
もうこうなると全くなすすべがありません。
(フード付きのレインウェアで換気口も開けずに走れば多少防御できるはずですが)

DSC03243.jpg

足が濡れてペダリングを続けているとだんだんふやけてくるわけですが、そのふやけた足で強度の高い踏み込みを続けるとそのあたりが変な負荷でやられてきたりします。

人間、痛みを感じるのはどこか一ヶ所に意識が集中してしまうと他の痛みを感じにくくなってしまうところもあります。
お尻の痛みが先に来るはずが、そのときは太腿のミミズ腫れが痛くそちらばかりに意識が集中。
たまに足先がふやけて足底からアキレス腱などに痛みを感じることはあっても、お尻の痛みはちょっと弱くしか感じなかったり。
あとは、グローブもずっと濡れてますから手のひらとかもおかしくなってくるわけです。

高価なゴアテックス製のレインウェアは短時間なら快適に雨中ライドをこなせますが、長時間になるとゴアでも蒸れは防げずにいろいろ問題がおきてしまいます。
だからそれなりの長時間の雨中ライドになると、ゴアでもそうでなくても関係無いよ、という人もいるのですが、多分この時は、それをさらに超越した話なのかもしれません。
レインウェアも含めて、どこか途中で乾いたものへ全て交換してリセットすることができなければ、走り続けることは非常に辛い、という実体験をした訳です。

少しでも乾いて快適な時間がないと、皮膚のダメージは相当なものが蓄積されていきます。
すべての装備を二重、三重に持って走ることは現実的ではありませんが、超長時間の豪雨ライドという違う意味での変態ブルベを走るには、
・あきらめて身体のダメージを受け入れる
・装備や補給をさらに工夫する
どちらで行くか、もしくは、
・そもそも、酷すぎる天候が予想されるときは無理して走らない。DNSが吉!
とするか、なのでしょう。

ちなみにこの時は、ご老公の湯で着替えた際に、それまで着ていたジャージ類は不要になるので、すぐ近くのコンビニから自宅へ送り返しています。
時間的に余裕があってソロで走っている時であれば、コインランドリーへ立ち寄って、
洗濯しなくてもいいから乾燥機だけ使って強制乾燥!
して着替えるという手もあったりします。

速い人で途中ホテルを予約して仮眠する、というような場合は、もしかしたらスペアのシューズもレインウェアも一緒に事前にホテルへ送っておいて、一式全交換するという手があるかもしれません。

経験のある人は600kmとか雨中ブルベを、比較的簡単に考えているところがあると思いますが、
これの合わせ技だと、結構辛いってことで。
さらにそれが山岳とか無補給とかになると最凶なのでしょうが、そこまではまだ経験がありません。
そういう話は山岳班の超級変態ランドヌールの方々に語って貰うのを酒の肴にしてみたいところです。

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おまけ:雨の日に役立つ装備

パールイズミのレインキャップ
ツバが透明で、雨の日の視界確保に有効です。
アイウェアが内側から曇って見えにくくなったりした場合は、アイウェアを外してしまっても、
このレインキャップの透明のツバから前方を見て走ることも可能。
上りはそうするのが便利で、下りでも雨の日のそこそこのスピードなら問題なし。
欠点は、晴れたときにどこへ仕舞うか(ツバが大きいので畳んで仕舞う場所が難しいこと。
私は大きめのジップロックの袋に入れて少しゆるくカーブさせながらオルトリーブのサドルバッグL(容量いっぱいだとダメ)に入れるか、外にメッシュの大きめな袋を使って濡れたレインウェアと一緒に格納。
もしくは晴れても被りっぱなしで使っています。

(パールイズミ)PEARL IZUMI メンズ レイン キャップ 98

(パールイズミ)PEARL IZUMI メンズ レイン キャップ 98

  • 出版社/メーカー: PEARL IZUMI(パールイズミ)
  • メディア: ウェア&シューズ

スペアのレッグカバーも交換用にあると助かります。
レインウェアの下に使うものならUVでなくても何でもよいわけですが、薄手のものなら荷物になりません。

パールイズミ メッシュUVレッグカバー

パールイズミ メッシュUVレッグカバー

  • 出版社/メーカー: 岩井商会
  • メディア: その他

これは!?(苦笑)でかいのだと安いかな。
これを100均の小分けボトルに入れて使ってみようかな?
とか、実際には使ったことないですけど。

健栄製薬 日本薬局方 白色ワセリンP 500g

健栄製薬 日本薬局方 白色ワセリンP 500g

  • 出版社/メーカー: 健栄製薬
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品

逆の意味で役立たない装備:
モンベルのフロントバッグを使っている人は多いですが、これには防水性能がありません。
見た目だけで他のランドヌールの真似をすると痛い目にあいます。
多少の雨ならさほど濡れずに済みますが、これを雨天でつかうなら中身は全て小さなジップロックに入れて放り込んでおく必要があります。豪雨だとジッパーの隙間から浸水して中が池になります。
コンビニのレジ袋(中くらい)を下から被せてハンドル側でうまく結ぶと簡易レインカバー代わりになりますが。


モンベル(mont‐bell) サイクルフロントバッグ 1130110

モンベル(mont‐bell) サイクルフロントバッグ 1130110

  • 出版社/メーカー: モンベル
  • メディア: その他









雨の日に走るのは人それぞれだと思いますが、単発のブルベで完走すればあとは身体にダメージが残ってもいい。
なんてことは無いと思っています。
次のブルベも万全の体調で走れるように、ダメージをなるべく最小限に抑えるような事前準備をする、自分の力を過信しない、ということも大切かなぁ。

(おわり)











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コメント 7

がく

ホテルで仮眠とかにすると、ドライヤーが大活躍します。

シューズもドライヤーを突っ込んで強で、ブォォォォ
ソックスもドライヤーをつっこんで、ブォォォォ

※加熱しすぎないように、Coolでブオォォォもはさみながら

靴下は替えがあるといいですけどねー
by がく (2012-06-13 11:09) 

まけんた

雨中ブルベは大変ですね。
貴重な経験を興味深く拝見しました。
パールイズミのレインキャップは使ってみようと思いつつ、まだ未経験です。
見かけたら手に入れてみます。

ところで、
>洗濯しなくてもいいから乾燥機だけ使って強制乾燥!
これはさすがにマナー違反かと。
by まけんた (2012-06-13 12:04) 

pika

>がくさん
時間に余裕のある人ならそれもできますね。

寝る時間が少なくなってしまうので、なかなか真似しづらいかもしれませんが。
by pika (2012-06-13 12:48) 

pika

>まけんたさん
パールイズミのレインキャップ
ブルベを始める前から使ってますが結構いいですよ。
一度使って慣れてしまうと、途中から雨にやられて持ってこなかった時とか後悔します。

乾燥機の話は人によってとらえ方が違うかもしれませんが、
マナー違反になるような使い方はご自分で考えて控えていただければよいと思います。
私はブルベ中には立ち寄ることは殆どしませんが、ツーリング中とかで使わせてもらう時はジャージなら(トイレの洗面所とかで)水で軽く洗って手で絞ってから乾燥機です。
アウターシェル(レインウェア)は外側を同じく水で流してから乾燥機です。
洗剤を使って洗濯機で洗うことはしないという使い方ですね。

by pika (2012-06-13 12:55) 

amatoto

経験者のノウハウ、非常にためになります。

週末の400kmが完走2回目でしたが、
山岳などキツい要素がないコースであの雨を経験できたのは
ある意味でラッキーだったかも、と思えています。

風向き、雨の強さ、巡航スピードによっては
通常のかたちのサイクルキャップでつばをあげた状態の方が
雨が防げるのは、意外な発見でした。
それでも、次回に備えて、レインキャップは入手しておこう・・・。

インナー着替えを2枚、替えのジャージを1枚、スタート時には
長袖インナーをレインウェア下に着ていましたが、結果的に
全部使い切って正解でした。特に、中盤で気温、体温の低下で
パフォーマンスが落ちてくるのを最低限に防げたと思います。
ただ、全部を持ち運んでいたので、装備が重すぎました。

600kmにむけて、予定通りの行程をこなせるか、
自分にドロップバックの戦略があっているのか、
検証しながら、経験を積んでいければと思います。
(宿泊先などで予定通り受け取れるか、など、考慮点多数…)
出先から自宅への着替え発送は、試してみようかな…。
by amatoto (2012-06-13 13:13) 

Huret2100

おおあの雨ブルベの記事ですね。懐かしいです。ご老公の湯、予定してたんですが貯金なくなりもてぎへ直行した者です。上から下までひどいことになり、茂木でぬれたものは宅急便で送りましたが、とうとう途中でバス停で沈没したことを思い出しました。やはりみなさん大変だったんですねえ。勉強になりました。ありがとうございます。
by Huret2100 (2018-06-17 20:56) 

pika

亀のようなレスですみません。
あのブルベは自分の中では一番長く降られた雨ブルベでした。
今はもっと酷い天候のブルベもあるようですが、当時は当時なりにかなり辛かった思い出です<(_ _)>
by pika (2018-11-10 12:30) 

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