SSブログ

嘔吐下痢など脱水時の対応、特に経口補水療法について [応急処置]

2013.1.17(木)

ノロウイルス、ロタウイルスなどによる嘔吐下痢症が流行っているようです。
うちでも過去に子供が何らかのウイルス感染による嘔吐下痢症や、
風邪やインフルエンザで高熱で吐いてしまい、結果として脱水症状になったことがあります。

かかりつけのベテラン小児科医、近所の内科小児科医、
またたまたま近くにある国立成育医療センターの時間外での診療などで、
何度もお世話になるうち、いろいろなことを教わりました。
家人が元医療関係ということもあり、多少の専門知識はあったはずですが、
小児はやはり難しいようで、専門医でも正確な診断は困難のようです。

以下はあくまでも、患者さんの家族として教わったことを少しまとめたものでしかありません。
それでもネットで検索しても、わかったようなわからないような情報しか載っておらず、
これがベストではないでしょうが、多少は役に立つ可能性があると思ってメモにしておきます。

嘔吐下痢症は、ウイルス性のものでノロウイルスやロタウイルスが原因だったりするようです。
ただし症状から嘔吐下痢症と診断されても、原因が何のウイルスか?ということは、
あとになっておそらくそうだったのだろうという推測がつくぐらいで、
実際に判明することは殆どありません。
おそらく現在でもお医者さんにかかって、原因がどのウイルスかを検査することはないでしょう。
わかったからと言って、対処方法が変わる訳ではないからです。

基本的に自然治癒を待つ。それしかないと思います。
多くの場合、嘔吐下痢症では、嘔吐物や排便が二次感染の元につながります。
これは想像以上に感染力の強いウイルスで、手袋やマスクをつけていても、
どこかで飛沫を浴びてしまい、その後空気感染のように体内に取り込んでしまって、
自分も二次感染してしまうことが多いのです。
そして、治ったと思っても、何度でも再感染したりするところに恐ろしさがあります。
ですから、勿体ないと思っても、
嘔吐下痢と思われる症状で嘔吐物が出てしまった場合、
寝ていた場合は、シーツや毛布、場合によっては布団カバー、最悪布団本体も、
大きなビニール袋に入れて(できれば二重にして)しっかり縛って、
燃えるゴミなどで廃棄することが必要になります。
パジャマや下着も同様です。

カーペットなどは廃棄しづらいでしょうが、塩素系の漂白剤(ハイターなど)で
かなり入念に掃除をする必要があります。
立っているところから嘔吐した場合は、かなり広範囲に飛んでいるので、
想像以上にたいへんな状況になります。

実際、そうなってしまった場合、お子さんや患者さんの対応が一番優先されると思うでしょうが、
まずは二次感染を防ぐことを最優先に動く方がよいです。
これを忘れて動いていると、自分も感染してしまい、家族みんなで共倒れになる、
というリスクがかなり高いのです。
目の前のお子さんも大事ですが、対処するには自分の身を守ることも必要だということを
覚えておいて下さい。

何組も使い捨ててよい布団や毛布がある家はありません。
嘔吐下痢症だと気づいた時点で、可哀想と思うかもしれませんが、
布団の周りにはビニールや薄手のブルーシートなど、吐かれても大丈夫な状態にしておく。
例えば、布団の上にブルーシートを大きく被せて、お子さんが寝るところだけ、
使い古しの大きめのバスタオルなどを敷いてあげる。
こうすることで、万一吐いてしまった場合でも、シートごとくるんで全て捨ててしまうことができる。
それによって二次感染をしないように防ぐことを考えるべきです。

ここまで出来たところで、はじめてお子さんや患者さんへの対応となります。
十中八九、水分補給ができなくなり、水分を摂らせようと思っても吐いて受け付けなくなります。
こういう場合、昔であればお医者さんにかかって、点滴をしてもらう。
それが唯一の対処療法だったかもしれません。

うちの子供も何度か成育医療センターで点滴をしてもらいました。
が、子供の点滴というのは大人のそれと違って、かなり辛いものです。
痛々しい姿を見ないと実感はわかないでしょうが、小さな手の小さな血管に、
点滴用の針を刺して、途中であばれたりしないように場合によっては身体を固定して、
点滴が終わるまでじっと我慢をすることになります。

診察もありますから、一度はお医者さんに診てもらった方がよいと思いますが、
(他の病気かどうか?別のところに異常をきたしていないか?ということも考える必要あり)
点滴をしてもらって、脱水症状を一旦離脱してから、再度またお医者さんにかかることは、
あまり効果的ではありません。

最近では名前は一般的になっている「経口補水療法」
元々は発展途上国など、医療用の器材の少ないところで生まれた知恵です。
が、効果は点滴とかわりません。そして手軽に誰でもできる方法です。
国内では、大塚製薬がOS-1という名称で、経口補水液(OSR)を販売しています。
OS-1

1日の目安量はここに載っています

かつては一部の薬局でしか扱っていませんでしたが、最近はかなり入手しやすくなっています。
ただしペットボトルでの販売のため消費期限が短かったと思います。
1本買い置きをしておいてもよいでしょうが、たくさん買い置きをしていても使いきれずに期限切れ。
そういうことになる可能性が高いので注意が必要です。

この経口補水療法での経口補水液の与え方は簡単ですが、
ネット検索で見る限りあまり具体的に説明されているところはありません。
一応、医師の指示のもとに行う、というのが建前なので仕方無いかもしれませんが、
ある程度どんな方法かは知っておいて損はありません。

経口補水液の与え方(参考)
脱水症状がどの程度か?によって最終的に与える量(水分量)は変わるでしょうが、
それよりも大事なのは、「まず水分を少しずつでも受け付けてもらう」ということです。
脱水症状が進むのは、入るよりも出る水分量が多くなっているということです。
これは嘔吐下痢症ではすぐになってしまう状態です。
子供でも大人でも、嘔吐したことによって喉や胃腸は敏感になります。
少しの水分を口に含んで嚥下しただけで、胃腸がビックリして反応して、
また吐いてしまう。これがよくある反応です。
飲ませてあげたいけど、少量飲ませただけでも吐いてしまい、余計脱水になってしまう。

これを防ぐには、本当にごく少量ずつ、胃腸が刺激で反応しないように、
ゆっくりゆっくり摂らせていくことが大切です。
小さなスプーン(ティースプーン)1杯の経口補水液を、そっとお子さんの口に入れて
飲ませてあげて下さい。
ごくごく少量のこの1杯で反応して吐き戻すことは、あまりないと思います。
そのあと、5分ほど時間を置いて、また同じことを繰り返します。

時間はかかりますが根気よく続けていくと、もう少し飲んでも大丈夫という感じになってきます。
焦る必要はないので、なるべくゆっくり同じ間隔で続けてから、
少しずつ飲ませる間隔を短くしていきます。

一回に付き5ml、しかも5分おきに飲ませたとして、60分だと12回、
合計60mlの経口補水液を摂ることができます。
コップ1/3程度かもしれませんが、全く受け付けない状態と、
これだけ飲ませた後ではまるで変わります。

これが最低限の摂取量になると思いますが、たいがいは30分もすれば、
5分置きでなく4分、3分、2分と飲んでも大丈夫な間隔が短くなってくるはずです。
このあたりは症状によって異なるでしょうから、考え方でしかないですが、
目安にはなると思います。

脱水症状が酷いかそうでないかで不足している水分量は変わるでしょうが、
私が個人的に目安にしているのは、おしっこにいってちゃんと尿量がある程度出ている。
そこまでが経口補水で水分補給をさせる目安だと思っています。
・尿がちゃんと出ていること
・ある程度の尿量が出ていること
・尿の色がおかしくないこと(極端に濃すぎないこと)

脱水時には、尿にまわる水分が減ります。
場合によっては腎臓にダメージがくるばあいもあり、
さらに違う病気になってしまうこともあるので、このあたりは結構気にしています。

(おまけ)
OS-1がなくても、経口補水液はご家庭で簡単に作れます。
また、軽度の脱水症状などで自力で水分補給ができる場合は、
必ずしもOS-1のようなOSRに頼る必要はありません。

同じ大塚製薬で作っている市販品、ポカリスエットなどを水で適度に薄めて
飲んでもらえばOKです。

あと、自転車乗りで誤解している人がいるようですが、
汗をかきすぎて脱水になってしまった場合、OS-1を摂ればよいというのはちょっと違うでしょう。
ポカリスエットで十分です。

OS-1は経口補水液としてのものでしかなく、原材料と比べるとかなりの割高商品です。
がぶがぶ飲むようなものではありませんし、そのような状態であれば、
塩でもなめて水飲んでいれば大丈夫です。(極論)

なお、中に溶けている原材料の関係で、
弱っている時は、アクエリアスよりもポカリスエットの方がよいでしょう。
アクエリアスは元気な時にしか飲めないスポーツドリンクのようなものです。

↑読んだよ!とお一つ応援クリックしていただけると励みになります。









nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0