MacBook Pro 15 Mid 2010 HDD交換で延命 [ガジェット]
2013.5.26(日)
来月、6/10のWWDCで新しいMacBook Proが発表されるかもしれない、という時期ですが、
(注 WWDC; Worldwide Developers Conference)
さらに時代はSSDという感じがする訳ですが、
そんなことはどこ吹く風?とばかりに、内蔵HDDを今更ながら大容量のものに交換してみました。
うちのMBPは、15インチ、Core i7 (Dual)、ハイレゾ・アンチグレア、HDDは標準の500GB/5400rpm
3年前に初めてCore i7が載ったMBPで、画面の見やすさに関してはこだわりのアンチグレア(俗に言うツルピカ仕様が嫌いで非光沢画面をオプション選択)というものです。
デフォルトで搭載されていたのはMac OS X 10.6 Snow Leopardですから2世代前のOSが動いていたマシンです。普通に考えるとそろそろ引退でしょう。
内蔵HDDが500GBクラスだと、ApertureとかiPhotoで写真を入れすぎたり、FCPXとかiMovieで無駄に動画編集をした残骸が残っていると、すぐに満杯になってしまいます。一般的にどう言われているかはあまり詳しくないですが、最低でも2〜3割の容量は開けておかないとメモリスワップがうまくいかないのか、システムが安定せず動作が緩慢になるようです。
外付HDDにライブラリを出して、とかいろいろやってみたのですが、やはり内蔵HDDも容量を増やしたいと思って、1TBのHDDに交換することにしました。500GBのSSDだと4万円ぐらいで買えないこともないようですが、それだと容量的に不足するので、とりあえず今の段階ではHDDで一旦様子見です。
買ったものは、以下の3つ。
2.5インチ内蔵HDD
ここ3年以上、ノート型の内蔵HDDは全く交換したことが無かったのですが、久々に買ったのはHGST製。
型番が0S03565とかで、なじみがない感じですが、普通のパッケージ版でした。
いわゆる、Travelstar 7K1000 ですね。
(Amazon で8205円:5/25現在)
HGST Travelstar パッケージ版 2.5inch 1TB 7200rpm 32MB SATA 6.0Gb/s 0S03565
- 出版社/メーカー: HGSTジャパン
- メディア: Personal Computers
MacBook Proは、年式によって本体の開け方、HDD交換のアクセスの仕方、必要なドライバ(ねじ回し)が少しずつ異なるようです。
Mid 2010モデルだと、こんな感じでしょうか
・本体裏蓋を開けるネジ +00 (プラスドライバーの00番、精密ネジの一番小さい方)
・HDDを外すネジ +0 (プラスドライバーの0番、00番でも外せないことはない)
・HDDの横を留めているネジ T6(トルクスドライバーの6番、かなり小さ目のトルクス)
プラスドライバーは、もう少し古いポリカーボネート筐体のMacBook(黒)の時から使っていた、精密ドライバーセット(たぶん秋葉館あたりで調達したもの)があるので特に追加で買うことはせず。
精度は今ひとつですが、100均の精密ドライバーセットでも出来ないことはありません。
ただ、工具箱を漁ってビット(交換式のドライバー先端)もチェックしてみたのですが、自宅にあるのは一番小さいのでT8でした。以前のMacBookなどで必要だったトルクスドライバーはT8やT9だったので、それは持っていたようですがT6は無し。これは仕方が無いので、在庫あり即納のT6トルクスを追加でポチっとしておきました。
(Amazon で808円:5/25現在)
ベッセル(VESSEL) パワーグリップ トルクスドライバー T6 No.B-5400TX
- 出版社/メーカー: ベッセル
- メディア: エレクトロニクス
探せば、また納期が少しかかってもよければ、Amazonでももう少し安いものもあるはずです。
あとは、外した内蔵HDDを外付けで接続するためのHDDケース。
(Amazon で982円:5/25現在)
玄人志向 2.5インチ USB3.0接続 ハードディスクケース GW2.5TL-U3/BK
- 出版社/メーカー: 玄人志向
- メディア: Personal Computers
Mid 2010モデルはUSB2.0までしか認識しないので、これで使うだけのことを考えればUSB2.0用のケースでもよかったかもしれません。USB3.0用のケーブルは、コネクタの形状が異なりケーブル自体もだいぶ太くなります。元々高速で通信するためのケーブルですからノイズなどが入り込まないようにシールドされているから仕方ないと思いますが、普通のUSB2.0ケーブルなどと比べるとグッと太くなっていて取り回しが若干しづらくなります。
実際に買ったものはこんな感じ。
HGSTのHDDとトルクスドライバー
玄人志向の2.5インチHDDケース
HDDの交換作業自体は簡単ですが、中身のデータをどうするか、についてはそれなりに考える必要があります。
今回は特に何も考えず、(古い方を外付HDDで接続できるので)まず交換してしまいましょう。
交換方法は、ネットで検索すれば画像付きで紹介してくれる記事がいくつかあると思いますが、一番確実なのはAppleのマニュアルです。最近のモデルは自分では交換できないものもありますが、Mid 2010モデルではユーザーが交換できるようになっていて、マニュアルにもしっかり交換方法が記載されています。
参考:MacBook Pro 15インチ Mid 2010 マニュアル
P.37-43 に記載されています。
HDD交換はさほど難しい作業ではありませんが、裏蓋をあけて本体をむき出しにするため、交換作業中に静電気などで内部を損傷するリスクがあります。昔から at your own risk と言われる類いの作業となります。
(冬場とか静電気が発生しやすい状況以外では、きちんと気をつければ殆ど問題ないとは思いますが…)
不安な方はMac取り扱いの販売店などで交換作業をお願いするのがよいでしょう。
裏蓋を外したあと、HDDを留めているブラケットを外してHDDを取り出して、さらにコネクタを抜いたところ
マニュアルに丁寧な説明があるので、それをきちんと読めばわかると思いますが、
ブラケットはプラスネジで外して上下に二分割される感じです。
これは外して上のブラケットを横に置いた状態。
コネクタを外す際には、HDDの回路に触らないようにとか、コネクタへの力の入れ方とか、ちょっとしたコツはありますが、そもそもそれがわからない場合は、自分で作業しない方がよいかもしれません。写真はなし。
静電気対策の方は、気になるようであれば、薄手の手術用ゴム手袋をはめるなどでもよいでしょう。
(私は横着なので、Mac本体の金属部分へ自分の手をあてて一旦アースした状態から素手で行ってますが)
ちなみに、トルクスドライバーが必要なのは、HDDの左右にある「耳」になる部分です。
取り付け用のネジがT6ネジとなっています。
赤丸で囲んだところ。左右2個ずつ。
ネジとはいっても、外に出ているネジなので、ゴムなどをかぶせてラジオペンチで外側をつまんで回して強引に抜くことも実はできたりするのですが…そういうこと言ってると怒られそうなので、まじめにT6トルクスドライバーでちゃんと回して外しました。
交換自体は、5分ぐらいで出来てしまうものです。慎重にやっても10分はかからないでしょう。
あとは外した方の元内蔵HDDを、玄人志向のHDDケースに入れておきましょう。こちらは、ネジ止めなど一切なし。本体上部のボディを少し押して横にスライドすれば蓋が外れます。内部にむき出し固定のコネクタがあるので、HDDをそのコネクタに滑り込ませれて、蓋をしめればそれで終わりです。
この状態だと、MacBook Pro本体に入っている内蔵HDDはまっさらな状態です。本体だけでは起動できません。
オリジナルのMac OS 10.6環境を入れるのであれば、DVDドライブからインストールすることもできますが、これまではOS 10.7環境で使ってきました。そして今後はOS X 10.8環境にしたい、という希望です。
いろんな方法があるでしょうが、10.7環境は、10.6から上書きインストールしたもので移行アシスタントを使いました。が、だいぶシステムがボロボロになっているようで、ここはやはりクリーンインストールをしたい。
OS 10.6まではDVDで提供されていましたが、10.7や10.8はMac App Storeからのダウンロードとなります。すでに10.8はお試し環境で一度ダウンロードしたことがあるので、元・内蔵HDDには10.8のインストール用のデータが入っています。
外付HDDケースを付属のUSB3.0ケーブルでMBPにつないでから電源ONすると、USB2.0接続のスピードしか出ませんが、これが認識されて外付HDDからブートされ、今まで使ってきたままの10.7環境が立ち上がります。
内蔵HDDは未フォーマットなので認識されません。いきなりダイアログで「初期化しますか?」みたいなことを聞かれたりしますが、ディスクユーティリティーを使ってHDDに名前を付けて、必要に応じてパーティションを切っておきます。
蛇足ですが、内蔵なので、標準と同じくMacintosh HDと名前を付けてしまうのですが(苦笑)、これをやっていいのは、容量が違うとかメーカーが違うという、分かりやすい場合に限るかもしれません。同じメーカーの同じ要領のHDDを2台別々にUSB接続して、Macintosh HDが複数、とかやってると流石に訳がわからなくなります。
あとは、外付HDDで動いている訳ですが、そこからOS X 10.8インストールを行います。インストール用のデータが無い場合はApp Storeへアクセスして、購入済みであれば再ダウンロードする手間がひとつ入ります。
未購入の場合は、購入してダウンロードです。
10.8インストール作業は途中で一旦再起動がかかります。そこからさらに20分ぐらいは必要だったかもしれません。移行アシスタントでは、今回はシステム自体の「設定」のみをチェックして、ユーザーデータなどは一切移行しませんでした。この「設定」というのはWi-Fiの設定などが含まれていて、自宅以外のアクセスポイントのパスワードなどが登録されているため移行対象としました。容量は少なく150KB程度だったような気がします。
内容は少し異なりますが、カワウソさんのIT Mediaにあるこんな記事を一応参考にしてみました。
内蔵HDDに10.8環境が出来上がったら、optionボタンを押しながら再起動するか、起動ディスクで内蔵HDDを指定してから再起動させます。この状態だと新しい環境にはアプリもデータも入っていません。自分の場合必要だったアプリのインストールなどを備忘録として列記しておきます。
アプリとして必要なのは、次のものです。
A.パッケージでDVDとして持っているアプリ
Aperture 3 (今はApp Storeで安く販売されてますが、以前はパッケージソフト)
iWork 09 (今はApp Storeで単品毎に安く販売されてますが、以前はパッケージソフト)
CS3 (10.8は動作対象じゃなくなったような気がしますが、ある程度は動くか?)
Office for Mac 2008 (2011は持ってないので、いまだに2008)
等々
B.App Storeで購入したアプリ
Final Cut Pro X
Motion
Compressor
等々
C.MBP購入時に付属していたアプリ
iPhoto
iMovie
Garage Band
等々
A.のパッケージで持っているアプリについては、HDD交換なので新しい方に再度入れ直すことになります。
(以前のHDDからはライセンス的には消去する必要があるでしょうが、作業は後追いで)
Office for Mac 2008 は、インストール時に不穏な挙動をすることもあるらしいですが、
気になる場合は、検索すると出てきます。
参考:Office for Mac で Apple OS X 10.8 マウンテン ライオンの既知の問題
CS3は、インストールに時間がかなりかかるので、暇なときにやるのが一番です。
あとは、パッケージソフトはDVDと一緒にライセンス番号をちゃんと保管してないと困りますね。
そもそも箱をどこに仕舞ったか?これが一番大変だったり。
App Storeのありがたみを、こんなところでしみじみと感じる訳です。
(過去に買ったAppleのパッケージソフトもApp Storeで再ダウンロードできたらいいのに)
B.のApp Storeで買ったアプリについては、ちょっとしたTipsというか落とし穴があって、外付HDDに元・内蔵HDDをつないであると、App Storeの「購入済み」リストで見ると「インストール済み」という表示になります。言われてみれば当たり前でしょうが、外付HDDにはアプリがインストール済です。内蔵HDDにインストールするには、外付HDDをアンマウントして外してしまえば、この表示が「インストール」に変わるので、再ダウンロードが可能となります。
最後に、C.ですが、これ結構忘れがちです。iPhotoやiMovie、Garage BandはこのMBP購入時はバンドルソフトで入ってたわけですが、それは添付のDVDの2枚目の方です。忘れずにオリジナルのDVDからインストールしておくことが必要です。
あとは、クラウド系で、DropboxとEvernoteの設定をしておきます。
Dropboxは、Dropboxサイトにアクセスしてログインすれば、ブラウザ経由でアクセスもできますが、そこでアプリをダウンロードしてインストールしておきます。しばらく同期で時間がかかりますが時期にローカルのDropboxにもすべてのデータが同期されておしまいです。
Evernoteは、App Storeで提供されてるので、そこからダウンロードしてインストールしておきます。ログインすると、これも自動的に同期がされておしまいです。
最後に、ATOK Passportを再ダウンロードして、ATOK 2012を使えるようにしておきます。ユーザーIDやらライセンスは、Evernoteにメモを残してあるので、それを参照して設定すればおしまいです。
あとは、地道に各アプリのアップデータなどを何度か当てつつ、iPhone片手にツイッターでも遊んでいればそのうち終わる訳ですが、私の場合は約3時間ほどかかりました。データはまだ外付HDDの方に全部残っていますが、当面の作業はDropboxやEvernoteで出来るので、データの取捨選択と移行は後から時間を作って適宜行うことになります。
データを抜いた状態だと40〜50GB程度しかHDDは使っていません。外付HDDへApertureライブラリを追い出してうまく管理するなど工夫すれば、500GBクラスのSSDを導入して、という方法の方がより良かったかもしれませんが、こればっかりはいろいろ自分でやってみないと何とも言えません。
ほんの一部だけ「設定」を移行しましたが、それ以外はクリーンインストールなので、いまのところは快調です。HDDの空き容量が増えたことと、5400rpmから7200rpmとHDD回転速度が上がっていることから、快適になるのが当たり前といえば当たり前です。ただ、10.8にしてしまったことから古いソフトのCS3やOffice 2008などの挙動が安定するかはかなり不安だったりします。CS3はAdobeがすべてCreative Cloudになってしまったことで、毎月Adobe税を支払うほどは使ってないので、どうしたものだか。
6月にHaswell搭載のMacBook Proが発表されたりしたら、そっちへの乗り換えとか検討することもあるでしょうから、当座の凌ぎとしては1万円以下でやりくりしてみた、という感じでしょうか(苦笑)
2013-05-26 13:06
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