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PBP 完走へのヒント 話半分でどうぞ [PBP準備]

2019.8.13(火)


 PBP完走したい人向けのヒント(おこがましいけど書いちゃいます)

 これからパリへ向かう人、すでにパリへ行ってしまった人、前回完走した人、いろいろいると思います。
ブルベは人それぞれ、誰かに向かってアドバイスできるようなものではありませんが、話半分でお読みください。


 PBPなんて楽勝だぜ!って人は、スルーしていただいてブラウザバックでお帰り下さい。
あまり自信がないけど、って方は、もしかしたら参考になるかもしれません。そんな程度のお話です。

 誰がどんな位置づけで話しているか気になる方がいると思うので、一応自己紹介しておくと、
・2011年PBP 初参加 完走(認定)
・2015年PBP 2回目 完走(認定)
 と前回、前々回、PBPへ行って2回ともギリギリ隊で完走しています。

 前回2015年のPBPをもって長距離ブルベからは遠ざかってしまったので今は脚力ありませんが、最後に走った2015年のPBPでもたいした脚力は無く「Pikaさんリタイアすると思ってた」と周りでは思っていた人が多かったぐらいの人です。


 本題に入りましょう。

 PBP完走できるか不安な人は「完走すること」以外は捨てましょう。これに尽きます。

 これだけではわからないと思うので、一応シーンに分けて説明すると、


・スタート前

 とにかく体力温存、寝まくりましょう。


 国内BRMとは違う要素として、時差ボケ、ジェットラグがあります。
言い切りますが、これを克服することは今からは無理です。(時差ボケ消すなら3週間前に現地入りしましょう)
とにかく寝る。身体を休める。→スタート前は観光やグルメは封印する。

 バカじゃないの?って思うでしょ?
 完走できたらそう思うかもしれません。
でもね、完走出来なかったとき、たいがいはコレが原因になっていることが多いのです。
ベストを尽くすなら迷わずこれが必要です。

 時差ボケで睡眠リズムが異常になっている状態だと、国内での徹夜とかとは比較にならない急激な眠さでの寝落ちなどが発生します。普段走れる人ほど、この落差が完走への障害となります。
普段あまり走力がなく、ギリギリ隊で寝ないでずるずる走れるような人の方がかえってしぶとく走れるかもしれません。国内ではがーっと走ってしっかり睡眠を取って、という人も時差ボケはかなりの負担になることを覚悟しておく必要があります。

 たぶん、これが半分ぐらい完走への道が開かれるか閉ざされるかの分かれ道になっているでしょう。

・前日車検
 PBPをお祭りとして楽しむ方は好きに行動した方がよい日です。
が、完走出来るか心配な人は、少し考えた方がよい前日の過ごし方です。
車検はサクッと終えて早めに宿へ戻って休息をとる。事前準備は車検前に全て終えておく。
(ドロップバックの準備も預けること以外は全て済ませておく)
この段階から、自分の都合で時間を使うようにしていくことが完走できるか否かの分かれ道です。
夕方に集合写真を撮ります。思いで作りに参加するのもよいでしょう。
前回参加した人に訊いてみてください。集合写真を撮りにいって本番は途中でタイムアウトなどリタイアした人がどのくらいいるか? 当然、前夜の酒盛りも睡眠優先で早めに切り上げて寝るのが肝心です。
厳しいことを言うようですが本気で完走したいなら、何を優先すべきか考えるべきです。

 前回までと異なり、2019年はスタート地点が変わるので厳密には同じではありませんが、PBPの組み立ては走力の無い人にとって、ルデアックでのドロップバック利用を前提として3パートにわけて組み立てていく必要があります。

・スタート〜ルデアック
 90時間組だと、夜スタートで翌日の夜までにルデアック到着です。
なるべく早めにルデアックに到着して、少しでも多く休憩、仮眠を取って次のパート(ルデアックからブレストまでアタックしてルデアックへ戻って来る)に備える必要があります。
 
 早くたどり着くためにすることは、国内BRMギリギリ隊の動きに見習うことは多いです。
PC(コントロール)での滞在時間を極力減らす。これに尽きます。コントロール到着後、何分滞在したか?これは確実に記録して次のコントロールでの行動に反映させてください。コントロール1で失敗しても仕方ないですが、2以降で同じことを繰り返すのはただのバカです。

 各コントロールごとに配置は多少異なりますが、基本的な流れとしては概ね次の通り。
・駐輪場のラックに自転車を停める(駐輪場所が広いので迷わないように場所も覚えておく)
・コントロールチェックを受ける(スタンプ押してもらう)
・カフェテリアで補給を取る(ミネラルウォーター派は水も買っておく)
・トイレ、水場(水道でOKなひとはタップから水を汲む)
・駐輪場から再スタート
 人の動き的には一方通行です。自転車を停めたらブルベカードを首からぶら下げていればそのまま、カバンに入れていればカバンから出して持って行く。ブルベカード、お財布、ボトル(コレ大事!)、念のためトイレットペーパーを持ってコントロールへ向かいます。なぜこれを上げているかじっくり考えてくださいね。
混雑具合にもよりますが、1時間は滞在しすぎです。よく考えて動きましょう。
同行者がいる場合、再スタート時間を先に決めて途中はぐれても大丈夫なようにしておきます。探すのは困難。

 ボーッとしてると2時間ぐらいコントロールで過ごしてしまう人もいるようです。いくら速く走れても無駄にした時間を取り戻すにはかなりの労力が必要となります。できることならなるべく途中の仮眠に振り分けてあげてください。

・ルデアック〜ブレスト〜ルデアック
(前回までと異なり往路のルデアックでの仮眠可能な時間が少なくなっているらしく注意が必要、時間帯が若干ことなるので以下は前回基準での話となります、軽く参考まで)


 ルデアックを起点としてブレストアタックしてなるべく早めにルデアックへ帰還する。そういう意識で走る事が求められます。未明にルデアックから出発することになるでしょうが、次のコントロールや日が昇る(フランスの日の出は遅い)までの間は、ほとんどの人が眠さと暗さと走れ無さ加減に苦しめられます。天候も変わります。それまでの区間より寒くなり、霧や雨が襲ってくることもあります。
ある程度走れる人で早めにスタートしていると時間的余裕があるでしょうが、クローズ時間やクローズ後に再スタートを切っていると苦しくなってくるところかもしれません。

 ブレスト手前からブレストのコントロールでは謎の達成感があって、これで楽勝かな?って気分になることもあるかもしれません。

 が、実はここからルデックに戻るまで、またルデアックから再スタートして次のコントロールへたどり着くまでが、かなりしんどいステージとなる事が多いようです。

 ということで、ブレストでは補給をしっかりとって早めに復路へ急ぐ必要があります。それまでの過程でPBP沿道での補給の取りやすさ、難しさは身に染みていると思うので、それを踏まえて最低限の補給食は背負って、適宜沿道の私設エイドに昼間の間はお世話になりつつ、それぞれで長居しないようにして戻ってくるようにすることが大切です。

 私設エイドには、チップを置く、ありがとうという感謝の言葉を伝える、あとは余裕がなければそれで十分ということにして切り上げて、いただけるサービスはいただいて、コーヒー飲んで、時には仮眠させてもらってください。
(お礼をしたければ、その次にまた行けばいいだけのことです。無理はする必要はないです。)

 コースが変わって無ければ、復路のルデアック手前。ここは日が落ちると途端にスピードが乗らなくなるアップダウン地帯です。あと少しのハズなのに、おかしいな?まだ着かない。どうしよう、となる可能性があります。
眠くなってダメなら諦めて道の横で(少し離れた場所で)仮眠する。眠いまま走り続けると、1時間走ってるはずなのに全く距離が稼げてない、みたいな事象が起こります。
(2011年は恥ずかしながら落車して道路脇の堀に転がり落ちて、帰国後肋骨にヒビが入っていたことが判明。ブルベで派手な落車をしたのは後にも先にもこれ一回だけです。)

 これは自分だけでなく、他の人にも同じようなことが起きていたので、ギリギリ隊に近い走力で走る人には注意が必要なことだと思います。

 時差ボケでの眠さは、日本で徹夜するとかしないとは遙かに異なる次元で効いてきます。眠さを感じたら負けです。その場で寝ましょう。他の国から来た人は雨が降っていても路肩でホイルにくるまって寝ていたりします。

  
・ルデアック〜フィニッシュ
 ルデアックへ戻ってくるのに余裕があればまた違うでしょうが、ここまででだいぶ疲弊している可能性が高く、ここできちんと寝ないと最後のパートがこなせません。
(2011年は戻ってくる時間が遅く、1時間以上借金して寝ることを優先しました。)

 往路のルデアックと復路のルデアックとでは、ギリギリ隊だと周りの人の動きがだいぶ変わっている可能性があります。往路よりは少し余裕があったりすることもあるかもしれませんが、いい時間に戻ってくると仮眠場所、シャワーとも混雑します。仮眠場所に並んで1時間ぐらい無駄にすることもあるかもしれません。
が、ここで寝ないともちません。
2015年とドロップバッグの配置が同じかわかりませんが、往路でドロップバッグ、シャワー、仮眠場所の位置関係を把握できていると思うので、それを予めシミュレーションして動くことが必要です。
(あくまでも2015年の参考ですが、私は仮眠が混んでると聞いたので先に仮眠場所を確保してからシャワーを浴びて仮眠に入りました。カフェは大混雑だったとその場で聞いたのでカフェは利用せず屋台のようなところでビールとフードをあまり並ばずにゲットしてサクッと補給を済ませました。ビールは仮眠前の睡眠薬がわり。フランスの法律ではこの程度は飲酒運転には入らないものです。)

 復路のルデアックもそこからの再スタート後、日が昇るまでの間は結構辛いかもしれません。
PBPでの夜間走行は本当に鬼門です。速く走れる人は夜間走行無しで完走することも可能ですが、そうでない人は国内BRMでの夜間走行の3倍増しぐらいの辛さを覚悟していった方がよいです。

 日中は平気ですが時折眠さに負けそうになるので、そういうときは早めに寝させて貰えるところでしっかり寝て休むことが大切です。

 最後の晩はモンターニュー・オー・ペルシュあたりでしょうか。ギリギリ隊だとカフェの横とかよくわからないところでそのまま寝っ転がって身体を休ませることになります。
(ここまで来ればあとは凱旋できそうな気がしますが、ドリューまでも2015年は辛かったようです。直前に雨に降られてズタボロ状態)

 8月なので国内だと勘違いしやすいでしょうが、フランスPBPで走る緯度は北海道みたいなものです。
ちょうど今、北海道パラダイスウィークで雨や風にやられている人達が走っていたと思いますが、あれよりも季節は進んでいます。寒い時は寒いし、雨の中風に吹かれるとどうなるか?きちんと想像しておくべきでしょう。

 なんとかドリューまで滑り込めばあとは本当の凱旋になりそうな気もしますが、気を抜かずに最後まで安全に走ることを心がける必要があります。
(2019年はランブイエでゴールなのでだいぶ短くなるはず)

 個人の勝手な感想にもとづくお話ですが、参考にできるところもあるはずです。
折角参加されるのであれば、是非とも完走(認定取得)して気持ちよく凱旋帰国されますように。
途中、体調不良などがあれば躊躇無くリタイアすることも大切です。
コースプロフィールだけを見ればたかがPBPと言われることもありますが、国内BRMとは違う環境でのチャレンジです。決して無理すること無く、無事に帰ってくるのが最高の結果だと思います。

 BRM活動からは遠ざかっている老兵おじさんからの戯れ言でした。<(_ _)>



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