2010.11.13(土)
ひとつ前のエントリーに続いて、知っておいて欲しいことをもう一つお話させてください。

ブルベは危険なスポーツです。

AJサイトのトップに「ご注意」として次のような文言が書かれています。

ブルベはレースではありません
ブルベは一般の公道を走行します。したがって、交通法規の遵守はブルベ参加への大前提となります。交通法規の違反は失格の対象となります。また、他の道路使用者との円滑な道路共有の基にブルベが成立することをご理解ください。

ブルベは危険なスポーツです
ブルベは公道を走行するため、常に事故の被害者および加害者になる危険があります。事故によって永続的な身体障害、麻痺、及び死亡を含む重い身体障害を自己および他者に生じさせるおそれがあります。


前者は当たり前のことですが、交通法規を遵守できない人には参加資格が本来無いことを明確に示しています。そしてルールだけでなくマナーとして円滑な道路共有が必要なことも言及しています。

ここでは後者について取り上げたいのですが、ブルベに参加する人は一度真剣にこのことについて考えてみる必要があると思います。
2010年のブルベに於いても残念なことにいくつか事故がありました。春先までの間に大きな事故も複数発生しており、そのうち実際に私も事故現場を事故直後に通りかかったものもあります。

AJや各BRM主催クラブのサイトで事故についての詳細までは書かれていませんが、春先にこんな記述がAJ神奈川のサイトに載っていたことを思い出しました。

事故について
(引用開始)
2010/03/10 20:23 に Takashi Kato が投稿 [ 2010/03/11 23:03 に Osamu Shimokuni さんが更新しました ]
最近、事故が多く発生しています。特に頚椎損傷による四肢麻痺、複数箇所の骨折など、関東地区だけで4件重大事故が発生しています。
原因はいろいろでひとつに絞ることは出来ませんが、サイクリストの重傷が目立ちます。BRMとしては距離の短い200kmでこれだけの事故が起こっています。
これから夜間走行必須となる300km以上が本格的に始まります。サイクリスト自身の注意、体調と相談しての仮眠はもちろん、他者から認識されやすい尾灯、ベストだけでない反射グッヅなど、各自で防衛策を工夫することも重要です。
お互いに事故の無いサイクリングを楽しむよう努めましょう。

(引用終了)

2010年は1月頭からBRMがスタートしていますが、2ヶ月の間にいくつか重大事故が起きていたわけです。4件という数字は、もしかしたら2009年秋にあった事故1件が加わった数字かもしれませんが、そうだとしても11月、12月はオフシーズンなので、3ヶ月ぐらいの間に4件発生してしまったということです。

プライバシーに関わることなので公表されないのだと思いますが、事故の関係者から直接話を聞いたりもしたことがあり、事故に遭われた方は初心者が多い訳でもなく、ベテランの方でも遭われていたりします。
事故は誰の身に起きてもおかしくない、ということを十分認識した上で、いかにしてそうならないようにするか、アクティブセーフティ、パッシブセーフティの両面から備えていく必要があるのだと思います。

スタート前までに体調を整えておく、十分な睡眠を取っておく。
それだけでも大きく違うはずです。
体調不良のまま出走することは、リスクが大きいのです。
普段よりも判断能力が鈍り、身体の反応も鈍くなります。
時には自分で判断して、DNS(出走しない)を決めることも必要でしょう。

また、急速な天候の変化に十分な装備がない、身体がついて行けないといった場合は、
自分で判断して、早めにDNF(途中棄権)を決めることも必要でしょう。

そして車や周囲の交通から、できるだけ視認されるように目立つ必要があります。
十分な灯火類、反射材は相手から見えずにひっかけられる、という事故を未然に防いでくれます。
・尾灯を2灯以上用意して点灯する。
(1灯が故障などで突然消えても大丈夫なように)
・昼間でもトンネルや見えにくい場所で点灯しておく。
・反射ベストで身体の前後左右全てに反射材が装備されている状態にする。
・夜間は反射材付きのアンクルバンドをつける。
(脚が上下するのに合わせて反射位置が移動するので視認されやすい)
・横からの視認性を高めるために、リフレクター付きのホイールやタイヤを使う。
等々


ブルベは本来楽しいスポーツです。
しかしながら、時と場合によっては危険なスポーツとなることがあるのです。
それを知った上で、事前に十分自分で準備と対策を取り、
取れるリスクの範囲で抑えて自己判断でチャレンジすることが必要なのだと思います。

オフシーズンの今のうちに、再度考えておくべき事だと思います。
自分なりの判断基準も明文化しておく方が、とっさの判断の役に立つことでしょう。