デブ基準のコース設計 [BRMスタッフ見習]
2013.6.6(木)
自転車乗りには、三味線弾くのが上手い人が多いようで、ともすると誤解されてしまうかもしれませんが、私はホントにただのデブで坂上れません。標準体重より現在5kg以上オーバー、体脂肪率は20%超ですから、そこいらの普通のおっさんとしてはまぁ、ちょっと太ってるよね、ぐらいでフツーかもしれませんが、一般的な「自転車乗り」からするとやや体重重めです。控えめに自称「小デブ」級と呼ばせていただきたいところですが登坂力はありません。
もう少し体重を落とした状態でも、あまり坂は好きではないのですが、現在のように「小デブ」だとさらに坂は苦手になります。3%でもフロントはインナー(34T)に落としますし、5%を超えるとファイナルロー(34Tx27T)状態。短めの8%まではシッティングで上れますが、それ以上は膝を痛めないように慎重に時折立ち漕ぎを入れながら上っていきます。
10%以上になると、ほぼダウン。上半身から背筋、腕の筋肉もすべて使って身体をよじって上ることになり、とても疲れます。そして10%超の区間が長いと、そこでのダメージがその後も残りずーっと失速した感じになりがちです。
ということで、自分がコース設計する際に気をつけていることは、
「主催者が走れないコースは作らない」
これに尽きます。
天候など、外部要因で認定試走時にDNFとかはありえるかもしれませんが、通常の天候で下見試走や認定試走など、自分で走ってちゃんと完走できるコースでないと、それは主催者としてダメでしょ。ってのが持論なわけです。
あくまでも自分の拘りでしょうが、ブルベは「認定」であって、完走できないコースを自分で引くのは、あまりにマゾすぎますって(苦笑)
そんな訳で、これもまた、主催者でも三味線弾きが多いので誤解されてしまうかもしれませんが、私が作成しているコースは、スペック(ルートラボなどでの獲得標高の概算予想値)と比べると、実際走って「え?それほどでもないよ」という感じになるはずです。
どうしてかというと、次のような具体的な指針を決めてコース設計の際に可能な限り考慮しているからです。
・10%を超える上り坂はなるべくいれない
登坂の途中で左カーブのインベタをつくと10%超とかも出ますが、センター側をまわるとそこまでのきつさはないところが、たまに出てくる程度で抑えられるはずのルートを選択しています
・下りにくい坂はなるべくいれない
せっかく上ったのに、斜度がきつすぎたり路面が悪すぎたりで下りにくい(適正な速度が出にくい)ことがないようにルートを選択しています
これらは完全には排除できませんが、デブにも厳しくなりすぎないコース設計をするうえで肝だと思っています。
ただ、このあたりは別のファクター(要因)があって、簡単そうなコースだからと舐めてかかって実力以上に飛ばしすぎると、後半どうでもいい緩い坂や平坦で脚が回らなくなる人もいるようです。さすがにそこまではコース設計だけでは配慮のしようがありませんので「ゆっくり観光をお楽しみください」ぐらいの言葉を添える程度でおしまいです。
(おまけ)
西上州300の場合、10%超の坂が出てくる可能性があるのは、こんな感じでしょうか。
あくまでも体感で覚えているところをカウントしているだけなので、見落としがあるかもしれませんが。
・小沢峠
直上り450m区間(平均7〜8%)のうち、後半で10%程度のところがあるかも
・山伏峠
上り4km区間(平均7%)のうち、急カーブのところで3〜4回、10%超のところがあるかも
時折きついと感じる区間があり、そこだけはなるべくカーブを大きくとってゆっくり登坂
インベタでのぼると13%とか瞬間的にきついところも、大回りすれば10%ちょい
・志賀坂峠
上り5km区間(平均6%)のうち、急カーブのところで1〜2回、10%超のところがあるかも
ほとんど10%超はなかったはず
・湯の沢トンネル手前(K45)
トンネル手前で、ほんの少しだけ斜度がきつく感じるところがあったような
ただ、ここが最後の上りなので、それまでの蓄積疲労がどれほどかで体感は異なるはず
前回、下見の際はちょっとだけきつかった区間と感じたので瞬間的に10%超があったかも
人によって上り坂への耐性は大きく異なると思いますが、あくまでも自分基準で見た場合、西上州300はルートラボなどによる獲得標高2500m程度(2700m近く出ると思いますが湯の沢トンネル区間などを考慮すると2500m程度と推計)というスペックに比べると、そこまでの上りのきつさは無いような気がしています。
ただ、前半に坂が集中しているため、距離と時間を等分に配置してペースを作ろうとすると前半飛ばし気味になりがちです。そうなるとキツさがかなり変わり、後半、平坦になって、え?ってぐらい脚が終わっていることもありえます。
それを防ぐために、148km(ほぼ中間)地点である、道の駅オアシスなんもく、はPCのオープン・クローズ時間の無い、単なる「有人チェックでの通過チェック」ポイントとして設定してあります。
PC2の小鹿野から志賀坂峠を越えて、湯の沢トンネルを抜けて、と2山超えてから南牧村入りする際に、無理に急ぐ必要がないようにしています。ここは脚をためておいてやり過ごせば、後半、ほぼ平坦ですが楽に帰ってこれるでしょう。
もっとも、実際に走るとわかるでしょうが、寄り道をしなければ、ほとんどの人が南牧村を仮想クローズ時間よりも前に通過できると思います。
天候次第ですが、暑すぎたり、雨がひどかったり、ということがなければ、おそらく完走率は90%以上になると予想しています。メカトラや体調不良など、数名の方がDNFするのはどのブルベでもあることです。それを除けばよほどのことがないかぎりタイムアウトで途中リタイアは無いと踏んでいます。